夕方のだるさはなぜ起こる?日常でできる対処法も紹介!

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午後から夕方にかけて、なんとなく体が重く感じたり、集中力が続かなかったりすることはありませんか?「疲れているから仕方ない」と思って流してしまいがちですが、実はこの夕方のだるさには、体のリズムや日中の過ごし方が深く関係していることがあります。

ただの疲労ではなく、時間帯や習慣によって自然と引き起こされている場合も。無理をして頑張るよりも、まずは自分の体の変化に気づき、適切に対応することが、心地よい毎日への第一歩です。

この記事では、夕方にだるさを感じる理由を身体のメカニズムからやさしく解説し、今すぐできる対処法もご紹介します。ほんの少しの工夫で、夕方の不調がやわらぎ、1日の終わりをより快適に過ごせるようになるかもしれません。

夕方に体がだるくなる理由

午後から夕方にかけて、だるさや集中力の低下を感じることは誰にでもあります。実はこの状態には、脳の疲労や血糖の変化、身体の使い方など、複数の要因が重なっています。それぞれの原因を知ることで、対策のヒントが見えてきます。

脳のエネルギーが落ちる時間帯

私たちの脳は、1日を通して常に働き続けています。特に朝から昼にかけては、思考や判断、記憶などに多くのエネルギーを使うため、夕方になると自然と“脳疲労”が溜まってくるのです。これは一種の「集中力のガス欠」のような状態で、思考がにぶったり、ぼんやりした感覚を伴いやすくなります。

長時間の会話や画面の見すぎなどで情報量が過剰になると、脳が処理しきれずに疲労が加速します。その結果、体が重く感じたり、頭がスッキリしないといった症状として現れることがあります。

これは単なる気分の問題ではなく、生理的なエネルギー低下による反応。脳が「一度休ませて」とサインを出しているとも言えます。だからこそ無理に乗り切ろうとせず、軽く頭を休める時間をつくることが大切です。

血糖値とだるさの関係

血糖値の変動も大きく関係しています。特に昼食をとった後、血糖値が急上昇し、その後に急降下すると、体が強い疲労感を覚えることがあります。これは「血糖値スパイク」と呼ばれ、眠気やだるさ、集中力の低下を引き起こす原因の一つです。

午後のおやつに甘いものを摂る習慣がある方も注意が必要です。短時間でエネルギーを補給したつもりでも、血糖値の急変動によって逆にだるさを感じることも。これは血糖の乱高下が自律神経に負担をかけるためです。

だるさを和らげるには、急激な血糖値の変動を避けることがカギ。昼食や間食では、ゆっくり消化される炭水化物やたんぱく質を取り入れたり、食べるスピードをゆるやかにするだけでも、血糖値の安定に役立ちます。

姿勢の悪さ・目の使いすぎによる影響

デスクワークやスマートフォンの操作など、長時間同じ姿勢で過ごしていると、筋肉が緊張し続けて血流が悪くなり、それが夕方のだるさとして現れることがあります。とくに、首や肩、腰などにかかる負担が慢性的な疲労を引き起こしやすくなります。

目を酷使することも脳や神経系に負担をかけます。画面を長時間見つめると、まばたきが減り、ドライアイやピント調節の疲れが生じ、それが頭重感や体のだるさにつながることもあります。

座っているだけでも、姿勢が悪いままでは筋肉が硬直し、酸素や栄養が届きにくくなるため、エネルギー不足を感じやすくなります。30分〜1時間に1回は姿勢をリセットしたり、軽く体を動かす習慣をつけることで、予防につながります。

生活リズムとの関係

夕方のだるさは、単なる疲労だけではなく、体内時計のリズムや日頃の生活習慣とも深く関係しています。自然なエネルギーの波や夜型傾向による不調など、生活リズムに目を向けることで、より本質的な原因が見えてきます。

昼食後〜夕方はパフォーマンスが下がる

人間の体には、日中でもエネルギーの波があります。特に昼食後から午後3〜5時にかけては、生理的にパフォーマンスが落ちやすい時間帯。これは「午後の低下帯(アフタヌーンディップ)」とも呼ばれ、多くの人が自然に眠気やだるさを感じるとされるタイミングです。

昼食による血糖値の変化に加え、朝から積み重なった神経や筋肉の負担も影響し、身体全体が“中だるみ”状態になります。この時間帯に作業効率が落ちたり、集中できないと感じるのは、あなただけではありません。

この生体リズムを逆らって乗り切ろうとするのではなく、軽いリセットを取り入れることで、夕方以降の活動をスムーズにすることができます。体の波を理解してあげることが、不調を抱え込まないコツです。

夜型生活が続くと日中のエネルギー切れが起こる

睡眠時間が短かったり、夜遅くまでスマートフォンやテレビを見ている習慣があると、体内時計が乱れ、翌日のエネルギーリズムにも影響が出やすくなります。とくに“夜型”の生活が続いている人は、午前中にエンジンがかからず、午後や夕方になってようやく目が覚めるような感覚を抱えることもあります。

そのような状態では、日中の集中力や体力がフルに使われる前にエネルギーが切れてしまい、夕方のだるさを強く感じやすくなります。さらに、寝不足や浅い睡眠は、自律神経のバランスも崩しやすく、慢性的な疲れの原因にもなります。

完全な朝型を目指す必要はありませんが、就寝時間を毎日なるべく一定に保つ、寝る前の光刺激を避けるなど、生活リズムをほんの少し整えるだけでも、夕方の不調は軽減しやすくなります。

眠気ではなく神経疲労が潜んでいることも

「眠気」と混同してしまうことがありますが、実際には脳や神経の疲労が原因になっているケースも多くあります。たとえば、会話の多い仕事、画面と向き合う時間の長い業務では、思った以上に情報処理の負担がかかっているのです。

神経的な疲れは、ただ横になってもなかなか回復しにくく、休憩時間をとってもスッキリしないことが特徴です。特にストレスが多い日や、集中し続けた日の夕方は、この神経疲労が強く出る傾向があります。

このような疲れに対しては、静かな時間を持つことが効果的です。目を閉じて音や情報から離れる、数分だけ外に出て空を眺めるなど、脳を休ませる工夫を取り入れることで、少しずつリセットされていきます。

夕方のだるさを軽くする対処法

完全になくすことが難しくても、少しの工夫で和らげることができます。ポイントは、こまめなリセットと体へのやさしい刺激です。まずおすすめしたいのが、軽いストレッチや体の伸ばしです。デスクワークで固まりがちな肩まわりや背中を動かすことで、血流がよくなり、だるさが和らぎます。

次に取り入れやすいのが、1分間の深呼吸。大きく息を吸ってゆっくり吐くだけで、交感神経と副交感神経のバランスが整い、気分が落ち着きます。目を閉じて呼吸に集中することで、脳もいったんリセットされやすくなります。

温かい飲み物を一杯ゆっくり飲むのも効果的です。白湯やハーブティーなど、刺激の少ない飲み物を選ぶことで、内側から体がゆるみます。さらに、座り方を見直すのもひとつの方法です。浅く座るクセや猫背は血行不良を引き起こすので、腰を立てて座るだけでも身体への負担が減ります。

ほんの数分でも、自分の体に意識を向ける時間をつくることで、夕方のだるさに振り回されにくくなります。頑張りすぎず、出来る範囲でよいので日々に取り入れてみるとよいでしょう。

まとめ

夕方に感じるだるさは、決して特別なことではなく、誰の体にも自然に起こりうる変化のひとつです。脳のエネルギー切れや血糖値の波、姿勢や目の使いすぎ、そして生活リズムの乱れなど、さまざまな要因が重なって「なんとなくつらい」と感じる時間帯が生まれます。

無理に気合いで乗り切ろうとせず、「今、自分の体が少し疲れているんだな」と受け止めることが、だるさと上手につき合う第一歩です。そして、ちょっとしたストレッチや深呼吸、温かい飲み物をゆっくり味わう時間をもつことで、気分がふっと軽くなることもあります。

夕方は、1日の終わりに向かって体も心も“落ち着きたがっている”時間。そんな自分にやさしく寄り添う習慣を取り入れることで、夜の過ごし方や翌朝の気分にも違いが出てくるかもしれません。だるさは、頑張ってきた証。うまく力を抜いて、心地よく整える時間として活かしていきましょう。

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